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学問で笑え。学問を嗤え。
スタンダード 反社会学講座

おまえは社会学ですっかりだめになってしまったのだ。
――ロバート・J・ソウヤー『スタープレックス』

わたしたちは、社会学のばかが言う、機能不全家族なの。
――ジョン・アーヴィング『未亡人の一年』


最近の仕事と懐かしい文庫(2008.5.13)
反社会学講座文庫版  
反社会学講座
パオロ・マッツァリーノ著
ちくま文庫
税込み798円
好評発売中!
ネット公開分第19回までの内容に加筆修正。
ネット未公開の「それでも本を読みますか」と
「渡る世間は自立の鬼ばかり」の2本を追加。
「三年目の補講」も収録の増補決定版。
日本列島プチ改造論のページへ   日本列島プチ改造論
大和書房のサイトで連載中
毎週水曜更新。読んでね!
つっこみ力  
つっこみ力
パオロ・マッツァリーノ著
ちくま新書
税込み735円
好評発売中!
朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞
ダカーポ、週刊プレイボーイ、日経ビジネス
VOCE、TBSテレビ「王様のブランチ」
その他多くのメディアで取り上げられました。
 こんにちは。ザ・たっちと宮崎哲弥さんの見分けがつかないパオロ・マッツァリーノです。
 次の単行本の原稿をゴールデンウイーク中にほぼ書き上げまして、ホッとしているところです。まだ本文以外の作業が残っているので、実際に刊行されるのはもう少し先になりますが、一冊ごとに趣向を変える私ですので、今度のもこれまでとはひと味違った本になります。数奇な運命をたどった原稿を長期にわたってまとめただけに、とても感慨深いものがありますが、っていってもなんのこっちゃわからないと思いますが、とりあえず楽しみにお待ちください。
 さて、いま『蟹工船』が大ヒット中で文庫の増刷が追いつかない状態なんだとか。またずいぶん懐かしいリバイバルですね。私はずいぶん前に読んだつもりなんですけど、内容の記憶がないところを見ると、途中まで読みかじってやめたのかもしれません。『反社会学の不埒な研究報告』に収録した「あなたにもビジネス書が書ける」でも蟹工船の話題を登場させてるんで(時代の先取り?)、読んだんじゃないかなあ。あやふやだな。
 これにかぎらず古典とか名作の類は、学生時代とオトナになってからとでは受ける印象がかなり変わることが多いので、ぜひ再読してみることをおすすめします。というか私はむしろ、古典はオトナになってから読むほうが絶対におもしろいと思ってます。たとえば、漱石の『吾輩は猫である』なんて、中高校生が読んでも絶対つまんないはずです。少なくとも古典落語をおもしろいと思えるくらいの歳にならないと、あのおもしろさは理解不能でしょう。
 『蟹工船』がお気に召したというかたに、私からぜひおすすめしたい本があります。『セールスマンの死』(ハヤカワ演劇文庫)です。アーサー・ミラーの有名な戯曲で、それこそ日本でも何百回と上演されてるのでしょうけど、この名作が2年ぐらい前にようやく文庫化されたんです。単行本もしばらく前から絶版に近い状態だったというのに、遅い。遅すぎる。
 1949年、戦後まもなくに書かれた戯曲です。それなのにまったく古くない。まるで現代の状況を予測していたのかと驚かされます。当時は主人公のセールスマンの悲哀が主眼だったのでしょうが、いま若いみなさんが読めば、主人公の息子ビフが置かれた状況のほうに共感することでしょう。高校でアメフト部の花形だった彼は大学に行けず定職にも就けず、フリーターのような生活を送っています。逆にいえば、50年前、今と同じ社会状況がアメリカですでに出現していたということなんでしょう。
「三十四にもなって、まだ道がみつからんなんて、恥っさらしだ!」
「問題はやる気がないってことだ」「ビフは怠けものなんだ!」
 そう息子に悪罵を投げつける父親もまた、負け組セールスマンとして苦渋の日々を送っているあたりに、どうしようもないやりきれなさをおぼえます。また絶版にならないうちに、ぜひ、読んでみてください。
 これとは全然毛色の違う本ですが、こないだ本屋で『あばれはっちゃく』の文庫を見つけたときもちょっと驚いて即購入しました。30、40代の人にとっては懐かしい響きですねえ。といっても思い出すのはテレビのほうで、原作本はさほど読まれてないのかも。
 こちらも文庫になるのは初めてみたいです。毎月毎月大量の文庫本が発売されるわりには、なんでこの名作がいつまでたっても文庫化されない、と義憤にかられる本好きのかたも多いはずです。
 文庫担当の編集者の選球眼が悪いのでしょうか。それもなきにしもあらずなんですが、他の事情のほうが大きいようです。ひとつには、著者の中には自著の文庫化を承諾しない人もいるようなんですね、なんでだか知らないけど。この場合は、著者が死んでから著作権を継承した遺族がオーケーするのを待つしかない。
 もうひとつは、単行本の出版社が承諾しないケース。あまり知られていないことなんですが、単行本をべつの出版社が文庫化する場合、文庫の出版社は単行本の出版社に印税を払うことになってます。これは法律的に決まってることじゃなく、商習慣として日本の出版業界で行われていることなんです。
 ところがそれでも単行本の出版社が文庫化を拒否することがあります。こっちが発掘してカネかけて出した本を、文庫屋が横からさらうようなマネしやがって、という理屈にも一理ありますが、著者としてはいい迷惑です。多くの著者にとっては文庫化の印税に生活がかかっているのに、出版社がジャマするんですから。だったら、おまえら単行本もっと売れよ! といいたくもなりますわな。法律的には文庫化の権利は著者側にあるので、出版社に拒否する権利はありませんが、かなり有名なライターのかたでさえ、もめごとを嫌って、文庫化を断念したという話を聞きます。
 この出版社のわがままのせいで文庫化されていない名作って、じつはかなり多いのではないかと私はにらんでいます。少なくとも、品切れ状態になった単行本は、べつの出版社が文庫化を申し出てもじゃましないでほしいものです。

こちらもまだまだよろしく。
人文書とお笑い本のコラボレーション!
『反社会学の不埒な研究報告』

反社会学の不埒な研究報告

『反社会学の不埒な研究報告』(二見書房刊)
第20〜24回の加筆修正分に加え、ネット未公開の新作として
「統計奇譚 前編・意識調査の闇」
「統計奇譚 後編・消える住宅の怪」
「くよくよのラーメン」
「経済学は無慈悲なお約束の女王」
「尊敬されたい!」
新作落語「長屋武士道」
コント「あなたにもビジネス書が書ける」
の7本を収録。
税込み1500円。
全国の書店・大学生協書籍部・ネット書店でお買い求めください。


文庫版『反社会学講座』を先にお読みになったかたへ

 文庫版の内容は、サイトの第1回から19回までの内容に加筆修正をほどこしたものです(ネット版は公開時(2001〜3年)のままなので、現在の社会情勢や法律などと異なる記述もあります)。文庫版のほうがデータも新しく、ネット未公開ネタや2007年時点での補講も追加された決定版ですから、あらためてサイトを読む必要はありません。
 第20回から24回は加筆修正の上、『反社会学の不埒な研究報告』に収録しています。

警告!

 反社会学は社会学の手法や論理を誤用し、無意味でくだらない結論をみなさんに押しつけようとします。当サイトの内容を読んで笑う人は、正常な頭脳と自由な精神の持ち主です。反対に、怒り出す人は、学力低下および判断力停止の末期症状であるおそれがあります。

第1回 なぜ社会学はだめなのか
第2回 キレやすいのは誰だ
第3回 満足ですかー!
第4回 パラサイトシングルが日本を救う
第5回 公平な社会を作るバカ息子(娘も)
第6回 日本人は勤勉ではない 本当に新しい歴史教科書・Part1
第7回 続・日本人は勤勉ではない 本当に新しい歴史教科書・Part2
第8回 フリーターのおかげなのです
第9回 ひきこもりのためのビジネスマナー講座
第10回 ふれあい大国ニッポン Part1・データで読むふれあい
第11回 ふれあい大国ニッポン Episode2・ふれあいダークサイドの歴史
第12回 本当にイギリス人は立派で日本人はふにゃふにゃなのか Part1
第13回 本当にイギリス人は立派で日本人はふにゃふにゃなのか Part2
第14回 本当にイギリス人は立派で日本人はふにゃふにゃなのか Part3
第15回 学力低下を防ぐには
第16回 夏季限定首都機能移転論
第17回 スーペー少子化論争 Part1・スーペーさんが語る少子化の神話
第18回 スーペー少子化論争 Part2・少子化のせいじゃないと、私、困るんです! 経済・労働力編
第19回 スーペー少子化論争 Part3・少子化のせいじゃないと、私、困るんです! 年金・働く女性編
第20回 シェフの気まぐれ社会調査
第21回 賞マスト・ゴー・オン〜ツッパることは勲章か〜
第22回 末は博士か叙勲者か Part1・名誉博士への異常な愛情
第23回 末は博士か叙勲者か Part2・賞より素敵な商売はない
第24回 こどもが嫌いなオトナのための鎮魂曲
参考文献一覧

御意見無用(ご用のあるかたはこちらから)

御意見無用2〜アフターサービス〜

御意見無用3〜自著を語る〜

御意見無用4〜つまらない学問は罪である〜

御意見無用5〜『反社会学講座』から『つっこみ力』への道〜

『反社会学の不埒な研究報告』正誤表

最近の○○・バックナンバー 1(〜2005年)

最近の○○・バックナンバー 2(2006年)

最近の○○・バックナンバー 3(2007年)

最近の○○・バックナンバー 4(2008年〜)